国枝慎吾さんの引退に思いを馳せて

   私が若いころは、日本人のテニスプレイヤーが世界で活躍することは夢のまた夢でした。今では、錦織圭選手や大坂なおみ選手をはじめとして多くの選手が世界で活躍しています。


 錦織圭選手が活躍する以前の日本人新聞記者がこんな質問をしたそうです。

 ”なぜ、日本のテニス界には、世界的な選手が出てこないのか”と。

 ”何を言っているんだ君は?日本には国枝慎吾くんがいるじゃないか”と答えたのは、ロジャー・フェデラー。

 2018年のウインブルドンでは、国枝選手はまさかの1回戦敗退。しかし、その前に行われた全仏オープンでは、復活の優勝を遂げています。国枝選手は、4大大会全てで優勝するというグランドスラムを2007年に達成しています。その後、東京パラリンピックでも優勝!

 彼が野球少年だった9歳のころ、脊髄(せきずい)に腫瘍(しゅよう)が見つかり、手術の前日、とうとう足が動かなくなってしまったそうです。自宅近くにテニスセンターがあったのが縁で、11歳から車いすテニスを始めたそうです。そのころバスケットボールに熱中していて、彼だけが車いすで友人たちとプレーしていて、バスケで磨いた車いすの操り方がテニスコートでも武器になり、テニスの腕もぐんぐん上達したそうです。

 足は動かなくなっても、動くところはたくさんあり、その力を伸ばした国枝選手。映画『4つの空 いのちにありがとう』でも、車イスのダンスがあるということを知りました。先日、その先生の発表会があり、ビデオを見せていただきましたが、素晴らしい演技でした。

 東京オリンピック招致で活躍した佐藤真海さんも

 ”私にとって大切なのは、私が持っているものであって、私が失ったものではないということを学びました”

 と言っています。無いものを悔むのではなく、今ある自分の力を活かすことの大切さを感じます。特に、人生の岐路に立っている受験生の皆さんは、自分の将来を見据えたときに、自分の持っているもので何が一番輝くのかということを考えて、進路選択をしてほしいと思います。

 国枝選手の好きな言葉は、『挑戦』。頂点に立ち続ける今も挑戦する姿勢に、大いに刺激を受けます。

 小中学生はもちろん、若い人にはどんな境遇からでも、さまざまな形で挑戦を続ける国枝選手委の姿をぜひ参考にしてほしいと思います。もちろん、還暦を過ぎた私たちにも言えることです。どの年代であっても、何かを始めようとした時が、挑戦のスタート!『挑戦』はいつでも始められます。

 ”俺は最強だ!”といえる人生の裏には、数多くの挑戦と挫折があったと思います。

 国枝選手、お疲れ様でした。次の挑戦が始まりますね。

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